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【赤岳】頂上山荘に宿泊して横岳、硫黄岳を縦走する山旅

「赤岳(あかだけ)」は長野県茅野市と南佐久郡南牧村、山梨北北杜市にまたがる標高2,899mの山で、八ヶ岳連峰の最高峰です。

私は今回電車(特急列車)とバスを乗り継いでアクセスしましたが、電車と乗り継ぎのいいバスがありますので、一般的なコースタイムで歩ける方であれば、初日に山頂の頂上山荘か、その少し下にある赤岳天望荘までたどり着くことができます。

私はそんなに早く歩けないので、赤岳頂上山荘に泊まり、1泊2日で登ってきました。

山歩きの概要
  • 日程
    2024年7月20日(土)~21日(日)
  • 登った山
    赤岳(標高2,899m)、横岳(標高2830m)、
  • 所在地
    長野県、山梨県
  • コース(標準コースタイム)
     1日目:美濃戸口~美濃戸~南沢コース~行者小屋~文三郎尾根~赤岳
         (頂上山荘に宿泊)
         約5時間30分
     2日目:赤岳~展望荘~横岳~硫黄岳~赤岳鉱泉~北沢コース~美濃戸~美濃戸口
         約7時間
     
     ※コースタイムはヤマケイアルペンガイド「八ヶ岳」を参考にしています
  • 登山口までのアクセス
    電車(特急列車):JR新宿駅~JR茅野駅まで(約2時間7分 5650円)
    バス:茅野駅~美濃戸口まで(約40分 1700円)
       アルピコ交通
       ※バスの運行は土日祝日及び7月27日~8月25日の運行
目次

赤岳登山のポイント

おすすめのポイント
  • 赤岳山頂直下は険しい岩場であるが、いくつもルートがあるので自分の経験や登山技術によって適切なルートを選ぶことでチャレンジしやすい
  • 今回登ったのは最も一般的な美濃戸口を起点とするルート。健脚の方であれば日帰りも可能だが、山頂付近に宿泊して夕日や朝日の時間を過ごすのがおすすめ
  • 赤岳だけではなく、横岳、硫黄岳などへ縦走することができ、周囲の山々を眺めながらの稜線歩きはとても気持ちがいい
  • 途中に山小屋が多いので、食事や水、トイレなどの計画がたてやすく、安心できる
横岳付近から赤岳の方向を見たところ

登山の記録【赤岳】

実際に私がこのコースを歩いた時の様子をレポートします。早朝に特急列車で新宿出発して赤岳に登り山小屋に1泊し、翌日は横岳、硫黄岳を縦走する1泊2日の登山です。

アクセス:JR新宿駅~JR茅野駅~美濃戸口

私は基本的には電車やバスなどの公共交通機関を使って登山口までアクセスしていますので、今回も電車とバスを乗り継いで行きました。


7:00新宿駅発、9:07茅野駅着のJR特急あずさ1号に乗車しました。夏休みにはいってすぐの土日だったからか、指定席券はすべて完売だったので座席未指定券で乗車。最初は座れましたが、途中40分くらいは立つことになりました。

本当はもっと早くから指定席を予約すればいいのですが、登山の場合は天気によって行先を決めることもあるので、電車の予約がうまくとれないことがないのはしょうがないと思っています。

予定通りに電車は到着。改札を出て階段を下りたところがロータリーになっていて、バス停があります。バスの出発時刻が9:20なのでそんなに余裕があるわけではないので、トイレに寄って、その後すぐにバスの列に並びました。

すでにバスは1台目が発車した後だったようで、今日は2台目が増発されていたので乗ることができました。並んでいた方がけっこういたので座れませんでした。やはり土日は山へ行く方が多いのですね。バスは予定通りの10:00頃に美濃戸口に到着しました。



1日目:美濃戸口~美濃戸~行者小屋

美濃戸口からスタートしてしばらく林道を歩く

美濃戸口は八ヶ岳西麓の主要な登山口で、バスの発着場や駐車場や八ヶ岳山荘があり、私たちが到着した時もまだ多くの人がいて出発準備をしていました。トイレがあるのも安心ですね。

登山届を出して準備を整え、10:20頃に美濃戸口を出発しました。八ヶ岳山荘の北側の林道をしばらく進みます。

美濃戸口からの林の中
苔や水の流れが心地よい

夏の暑い時期でしたが、林の中は直射日光があたらないので比較的涼しくて、苔がきれいな幻想的な景色が広がっていました。

林の中を1時間ほど歩くと美濃戸に到着。このあたりで少しだけ弱い雨が降ってきたので雨具とザックカバーをつけて、行者小屋へ向けて歩きはじめました。

美濃戸から赤岳方面へは、北沢コース、南沢コースのふたつの道があります。私たちは帰りに北沢コースを歩く予定なので、行きは南沢コースを進みました。

南沢コースは谷沿いの深い樹林帯を登るコースで、北沢コースよりも行者小屋まで早く到着することができます。

南沢コースの樹林帯の中を歩きます。おそらくアブだと思うのですが、虫が多くて、それがかなり大変でした。途中水流を何度か渡りながら進むと、白河原へ到着。前方に横岳の山並みが見えてテンションがあがりました。

この頃には途中で少し降っていた雨もあがり、青空も見えてきてきました。そこからあと少し進むと行者小屋に到着。

行者小屋に到着

途中で写真を撮ったり、食事をとったりしていたこともあり、行者小屋に到着した時点で2時を過ぎていましたので、行者小屋では少しだけ休憩して、赤岳に向けて出発。

1日目:行者小屋~赤岳

行者小屋から頂上山荘に遅くなる電話を入れようと試みたのですが、小屋のあたりでは電波(docomo)がつながらなかったのですが、しばらく歩いて稜線に出てからはつながりました。

行者小屋から赤岳へは「文三郎尾根」「地蔵尾根」の2つのルートがあります。この日は赤岳頂上山荘に宿泊予定だったので、そちらにより近い「文三郎尾根」を通って赤岳を目指しました。

文三郎尾根の途中から行者小屋を振り返ったところ

行者小屋から赤岳を見上げると、あんなに高いところに、本当に2時間くらいで登れるのか・・・と心配になっていましたが、下の写真のように階段やはしごでしっかりとコースがつくられていて、順調に歩くことができました。

上の方は険しい岩場が続きますが、危険なところには鎖やローブが張られているので、一歩一歩確認しながら気を付けて進みました。

途中から赤岳山頂を見たところ

上の方に登ってくると、高山植物があちこちで咲いていました。キツい登りを歩いている途中でかわいいお花を見かけるとうれしくて元気が出ます!

山頂まであと少し。

少しずつガスが掛かってきて、山頂が見えなくなってきていました。その中をがんばって進み、16:30頃に赤岳山頂に到着!かなり遅くなってしまいました・・・反省。

赤岳山頂。ガスで周囲は見えず・・・

しかし山頂に到着した時にはガスが掛かっていて、残念ながら周囲の景色は全然見えず・・・。あきらめてすぐ下にある頂上山荘に向かおうとしたところで、急にガスが晴れました!

山頂で急にガスが晴れた!

でもこの後はすぐにまた曇ってしまい、この日は残念ながら夕日を見ることはできませんでした。

この日宿泊した赤岳頂上山荘は、その名の通り赤岳の山頂すぐ近くに建つ山小屋。山頂にあるので晴れていれば夕日や朝日をすぐに見に行くことができます。

部屋は2段になっていて、部屋はこの日は男性も女性も両方の方がいらっしゃる相部屋で、私たちは上の段でした。1泊2食付き(大人)12000円。

2日目:赤岳山頂での朝日

前日の夕方からの天気がよくなかったので、朝日を見るのはむずかしいかもしれないと思いながらも、日の出の20分くらい前に外へ。案の定、ガスが掛かっていてほとんど景色は見えない・・・。

それでもあきらめずに外で待っていたところ、なんと!日の出の少し前から急に視界が開けてきて、一気にきれいな空と日の出のはじまりが見えてきました。

日の出直前に急にガスが晴れた!
遠くには富士山が
赤岳山頂から見る朝日
赤岳山頂から阿弥陀岳方向を見る

数分前とはまるで別の景色が広がって、夢をみているようでした。一度あきらめただけに、その後にこの景色を見ることができたことに感動。

どの方向もきれいでしたが、特に見下ろした阿弥陀岳に朝日があたり、その先にさらに空が広がっているところが最高に美しかったです。雲海も幻想的でした。

この景色は山に泊まらないと見れないものですから、やっぱりうれしい時間でした。

2日目:赤岳~横岳~硫黄岳

その後山小屋に戻って朝食をいただき、準備をして6時20分頃に山小屋を出発。横岳、硫黄岳を縦走して、美濃戸口へ向かうコースです。

赤岳山頂を見上げたところ

夜明け前に天気を心配したことがウソのように、この日はとってもいい天気。青空が広がり、360度遠くの山までよく見えました。

山頂から赤岳天望荘の方向に向かって岩場を下っていきます。下から山頂を見上げて、この日自分が泊まっていた頂上山荘を見ると、すごい場所に建っていることを改めて感じました。あの場所につくるってホントすごいですよね。

次に赤岳に来る時にも、また頂上山荘に泊まりたいです。

赤岳頂上から天望荘へ向かう途中
赤岳山頂方向を振り返ったところ

山頂付近は険しい岩場もありましたが、天望荘のあたりまで降りてくると緩やかな場所もあり、周囲の景色を楽しむ余裕もありました。どの方向を見ても遠くまで山や街並みがよく見えて、本当に気持ちのいい稜線歩きです。

遠くには富士山も!
赤岳と天望荘の方向を振り返ったところ

天望荘から横岳へ向かう間もアップダウンのある岩場の道が続きます。しっかりと整備されていて、危険なところにはクサリがあるので、注意しながら進んでいければ、そんなに難易度の高いところはなかったです。

ただ、この日は天気のいい日曜日だったこともあり、どちらの方向からも多くの人が登っていたので、1方向しか通れない狭いクサリ場などは譲り合いながら通っていて、少し渋滞しているところもありました。

譲り合い、大事ですね。

横岳に登る手前には急斜面の岩場があり、団体の方がいたこともあってか、ここも少し渋滞してました。長い急斜面で少し不安にありますが、クサリがしっかりと整備されているので、ここも特に問題なく通れるところだと思います。

とはいえ、後ろにたくさん人が待っていたりすると、ちょっと焦ってしまうこともあるので、注意が必要ですね。

急斜面の岩場(クサリ場)

横岳を過ぎて硫黄岳へ向かう途中で、急に空が曇ってきました。ここからは特に高山植物がきれいなエリアになるのに、残念なことに霧が掛かってきてしまい、ゆっくりと植物を見ることができず。

一面に咲くコマクサ

硫黄岳に向かう手前には硫黄岳山荘があります。ここではトイレをお借りしたのですが、とてもきれいな山小屋でした。かわいいお土産もたくさんあって、いつかこの小屋にも泊まりたいですね。山小屋水が少なくなっていたので分けていただきました(1Lで100円)。

硫黄岳山荘で少し休憩してから、硫黄岳に向かって出発。しばらく進んでも曇ったままでなかなか視界が開けない状況だったので、硫黄岳は山頂に寄らずそのすぐ手前を通り過ぎて進みました。

おそらくプラス10分くらいのところだったので硫黄岳の山頂へ行ってもよかったのですが、風が強くてガスっていて何も見えないのでやめました。

そしてそのままひたすら下って行き、赤岩ノ頭のあたりまで来たところでまた急に晴れてきました。ホント山の天気って変わりやすいですよね。

硫黄岳を振り返ったところ

しばらくは樹林帯の中を歩いていきます。この日は天気がよかったので、木々の間から差し込む日差しや苔がとてもきれいで気持ちよかったです。

山小屋がある美濃戸からは車も通れる林道が続き、約1時間ほど歩くのですが、アブが大量に発生していて、虫よけスプレーをしたりしてもずっと寄ってきてしまい大変でした。帰ってから調べたところ、このあたりはアブが発生することで有名なエリアだったのですね。

黒いタイツを履いていたからか、特に脚にアブがたくさん寄ってきてしまい、何か所か刺されていました。何日かしてから痒くなってきて、しばらくそれが残ったので、今後は着るものや虫よけなどで対策をすることにしました。

美濃戸から50分ほど歩き、14:30頃にバス停のある美濃戸口に到着。無事1泊2日の行程が終了です。

下山後(帰り道):美濃戸口~JR茅野駅~JR新宿駅

下山後は「美濃戸口」14:45発のバスに乗って「JR茅野駅」に向かいます。この次のバスの出発時刻が16:00で結構時間があいてしまうので間に合ってよかった。(アルピコ交通「美濃戸口線」)

この日はバスは2台出ていて、2台目は少し立つ人が出るくらいの状況。少し早めにバス停に到着したので、座ることができました。

15:25頃に「JR茅野駅」に到着
ここからは特急列車あずさで新宿まで帰ります。行きの列車が満席だったので帰りも座れないことを覚悟していましたが、少し時間が早めだったからか指定席が空いていました。

15:42茅野駅発の列車に乗車して、予定通り18:10頃に新宿駅に到着。そしてここから在来線に乗り継いで家まで帰りました。

参考にした本、雑誌

ヤマケイアルペンガイド「八ヶ岳」

大きな地図で見やすいガイド「八ヶ岳」

コースの解説や詳しい地図が掲載されているのが、この大きな地図で見やすいガイドシリーズ「八ヶ岳」。コース上の細かい注意点などが書いてあるので、ひとつの本で調べるだけではなく、いくつか調べておいた方が安心できます。

この本は電子書籍「Kindle Unlimited」では読み放題で読むことができます。

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山と高原地図「八ヶ岳」

登山の際には、必ず紙の地図を持っていきましょう。ヤマップなどの現在地がわかる地図と併用することで、道迷いなどの可能性が少なくなります。

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